CMDで回線速度を測定する方法と遅い原因の見分け方

CMDではpingやtracertを使って通信品質を確認できます。下り・上り速度の低下、Pingの増加、時間帯による変動を切り分け、Wi-Fi、ルーター、プロバイダー、回線混雑など原因別に改善方法を判断します。

公開日 2026-08-18 最終更新 2026-08-18 カテゴリ:ガイド

CMDで回線速度を測定する前に確認すること

Windowsのコマンドプロンプト(CMD)だけで、一般的な速度測定サイトのように下り・上りの実効速度を正確に測ることはできません。ただし、Pingで応答速度とパケット損失を確認し、tracertで遅延が発生する経路を調べることは可能です。実効速度を知りたい場合は、speedtest.imなどの測定サイトとCMDの結果を組み合わせて判断します。

基本的な確認コマンド

  • ping 192.168.1.1 -n 20:ルーターまでの応答時間と損失を確認
  • ping 8.8.8.8 -n 20:インターネット上の宛先までの応答を確認
  • tracert 8.8.8.8:通信経路ごとの遅延を確認

測定時は同じ端末、同じ接続方式、同じ時間帯で比較してください。Wi-FiとLANケーブルを切り替えて差を見ると、宅内環境か回線側かを切り分けやすくなります。

現象1:CMDのPingは正常なのに速度が遅い

Pingは小さなデータを送受信して応答時間を測る機能です。Pingが低くても、回線の帯域幅が不足していれば大容量ファイルのダウンロードや動画視聴は遅くなります。反対に、下り速度が高くてもPingが大きいと、オンラインゲームやリモート操作では遅延を感じます。速度測定サイトで下り・上りを確認し、Pingとは別の指標として評価してください。

原因1:Wi-Fiの電波干渉や距離

ルーターから離れた部屋、壁や床を挟んだ場所では電波が弱くなります。電子レンジ、Bluetooth機器、近隣の無線LANとの干渉によって、速度低下やパケット損失が起きる場合もあります。CMDでルーターのIPアドレスへPingを実行し、近距離では安定しているのに利用場所で応答時間が増えるなら、Wi-Fi環境が主な原因です。

原因2:ルーターやONUの処理負荷

長期間の連続稼働、同時接続端末の増加、ファームウェアの不具合によって、ルーターやONUの処理が不安定になることがあります。ルーター宛てのPingが高い、または時間によってタイムアウトが発生する場合は、宅内機器を確認してください。電源を再起動し、ファームウェアを更新したうえで、接続台数と通信中の端末を減らして再測定します。

原因3:プロバイダーや回線設備の混雑

夜間や休日だけ下り速度が大きく低下し、LANケーブル接続でも改善しない場合は、プロバイダーや回線設備の混雑が疑われます。複数の宛先へのPingとtracertを時間帯別に比較し、特定の時間だけ経路途中から遅延や損失が増えるか確認してください。IPv4接続の混雑が関係する場合は、契約先にIPv6 IPoEなどの対応状況を問い合わせる方法があります。

原因4:LANケーブルや接続ポートの性能

古い規格のLANケーブル、破損したケーブル、ルーター側の低速ポートを使うと、光回線の性能を十分に引き出せません。PCのリンク速度が100Mbpsになっている場合は、ケーブルやポートがボトルネックになっている可能性があります。対応するLANケーブルとギガビット以上のポートへ交換し、同じ測定条件で下り・上り速度を比較してください。

原因5:端末側の負荷やバックグラウンド通信

OSの更新、クラウド同期、動画配信、セキュリティソフトの検査などが同時に動作すると、測定結果が実際の回線性能より低くなることがあります。タスクマネージャーでネットワーク使用量を確認し、不要な通信を一時停止してから再測定してください。複数の端末で同時に遅いか、特定のPCだけ遅いかを比較することも有効です。

CMDの結果から原因を切り分ける方法

  1. LANケーブル接続で速度測定を行い、Wi-Fiの影響を除外する
  2. ルーターのIPアドレスへPingを送り、宅内ネットワークの安定性を確認する
  3. 外部の宛先へPingを送り、インターネット側の遅延や損失を確認する
  4. tracertで経路を確認し、遅延が始まる区間を記録する
  5. 朝・昼・夜に下り、上り、Pingを測定し、時間帯による変化を比較する

ルーター宛てから遅い場合はWi-Fiや宅内機器、外部宛てだけ遅い場合はプロバイダーや回線側を優先して調べます。tracertの途中に表示される応答なしは、機器がICMPに応答しない設定でも起きるため、1行だけで障害と判断しないでください。

回線速度を改善するための実践策

  • 速度確認では可能な限りLANケーブルを使用する
  • Wi-Fiではルーターを床や収納の中から出し、端末との距離を短くする
  • 対応端末では5GHz帯や新しいWi-Fi規格を利用する
  • ルーターとONUを再起動し、ファームウェアを更新する
  • バックグラウンド通信と不要な同時接続を減らす
  • 時間帯別の測定結果を記録し、プロバイダーへ相談する

改善後は、同じ端末と同じ測定サーバーで複数回測定してください。下り速度だけでなく、上り速度、Ping、パケット損失、時間帯による変動も記録すると、原因の説明と契約先への問い合わせがスムーズになります。