Mbpsなのに60Mbpsしか出ない原因と確認方法
契約中の光回線がMbps表記なのに60Mbps前後しか出ない場合、Wi-Fi規格、ルーターの性能、回線混雑、測定方法など複数の原因が考えられます。原因を切り分ける手順と改善策を解説します。
「Mbpsなのに60Mbps」と表示される理由
通信速度の契約表示が1Gbpsや数百Mbpsであるにもかかわらず、速度測定では60Mbps前後になることがあります。これは、契約上の最大通信速度と、実際に端末へ届く実効速度が異なるためです。
実効速度は、光回線の設備、プロバイダー、ルーター、Wi-Fiの電波状態、利用端末、測定サーバーまでの経路などに左右されます。60Mbpsという数値だけで回線障害と判断するのではなく、有線接続とWi-Fiを比較して原因を絞り込むことが重要です。
原因1:Wi-Fiの規格や接続帯域が制限されている
古いWi-Fi規格や2.4GHz帯に接続している場合、理論上の通信速度が低く、実測値が60Mbps前後になることがあります。特に古いスマートフォン、パソコン、無線LAN子機では、Wi-Fi 4以前の規格や狭いチャンネル幅が使われている可能性があります。
ルーターの近くで5GHz帯に接続し、端末のWi-Fi規格を確認してください。5GHz帯は高速になりやすい一方、壁や床を通過すると電波が弱くなりやすいため、速度と安定性の両方を確認します。
原因2:ルーターやLANケーブルの性能が足りない
ルーターのWANポートやLANポートが100Mbps対応の場合、実効速度は一般に100Mbps未満となり、測定結果が60Mbps前後に収まることがあります。古いルーターや、Fast Ethernet対応機器を使用している場合に起こりやすい現象です。
有線接続で確認する場合は、LANケーブルの規格も確認します。カテゴリ5のケーブルや破損したケーブルでは、通信速度が制限される場合があります。1Gbps対応のルーターと、カテゴリ5e以上のLANケーブルを使用すると、機器による制限を減らせます。
原因3:プロバイダーや接続方式が混雑している
夜間や休日だけ速度が下がる場合、プロバイダーの設備や接続経路が混雑している可能性があります。特に従来型のIPv4接続やPPPoE方式では、利用者が集中する時間帯に下り速度が低下しやすいことがあります。
速度測定を朝、昼、夜に分けて実施し、時間帯による差を記録してください。夜間だけ60Mbps前後になるなら、回線そのものよりも接続方式やプロバイダー側の混雑を疑います。対応している場合は、IPoEやIPv6接続の利用を検討します。
原因4:回線方式や集合住宅の設備が異なる
集合住宅では、建物まで光ファイバーが来ていても、各戸までの配線がVDSL方式やLAN配線方式になっていることがあります。この場合、戸建て向けの光配線方式と比べて最大速度が低く、60Mbps前後の測定結果になることがあります。
契約書や事業者のマイページで、光配線方式、VDSL方式、LAN配線方式のどれに該当するか確認してください。建物設備が原因の場合、ルーター交換だけでは大幅な改善が見込めません。管理会社や回線事業者に配線方式と設備上限を問い合わせます。
原因5:測定方法や測定サーバーの条件が違う
速度測定サイトは、選択した測定サーバー、ブラウザー、端末の処理性能、同時に動作しているアプリによって結果が変わります。測定サーバーまでの経路が混雑していると、回線契約の最大速度より低い数値が表示されます。
測定時は大容量ファイルの通信や動画再生を停止し、同じ端末と同じ場所で複数回測定します。異なる測定サーバーや複数の速度測定サービスを比較すると、一時的な経路混雑と自宅内の設備問題を区別しやすくなります。
原因6:端末やバックグラウンド通信が影響している
パソコンやスマートフォンの性能が低い場合、ブラウザーの処理やセキュリティソフトの検査によって速度測定の結果が下がることがあります。また、OS更新、クラウド同期、動画バックアップ、ゲームのダウンロードが同時に動作していると、測定に使える帯域が減少します。
タスクマネージャーや端末の通信状況を確認し、不要な通信を停止してから再測定してください。別の端末でも同じ速度になるかを確認すると、端末固有の問題かネットワーク全体の問題かを切り分けられます。
60Mbpsの原因を切り分ける確認手順
- ルーターを再起動し、接続中の端末を1台だけにします。
- ルーターの近くで5GHz帯に接続し、Wi-Fi速度を測定します。
- 1Gbps対応のLANポートとカテゴリ5e以上のLANケーブルで有線測定します。
- 朝、昼、夜に同じ条件で測定し、時間帯による変化を記録します。
- 別の端末と複数の測定サーバーで結果を比較します。
- 有線でも常に60Mbps前後なら、回線方式、ルーター、プロバイダーの順に確認します。
速度を改善するための対策
- 古いルーターを1Gbps以上のWAN・LANポートを持つ機種へ交換する。
- Wi-Fi 5またはWi-Fi 6対応ルーターを使用し、端末も対応規格へ接続する。
- ルーターを床や収納の中から移動し、使用場所との間にある壁を減らす。
- 夜間だけ遅い場合は、プロバイダーへ混雑状況とIPoE・IPv6接続の利用可否を確認する。
- 集合住宅でVDSL方式の場合は、光配線方式への変更可否を管理会社や事業者に確認する。
- 複数端末の同時通信が多い場合は、不要な同期や自動更新の時間を変更する。
60Mbpsなら問題があるとは限らない
60Mbpsでも、ウェブ閲覧、音楽配信、一般的な動画視聴、ビデオ会議には十分な場合があります。一方で、複数人が4K動画を同時に視聴する、容量の大きいゲームを頻繁にダウンロードする、上り速度を多く使う作業では不足を感じることがあります。
判断するときは下り速度だけでなく、上り速度、Ping、遅延、時間帯ごとの安定性も確認してください。有線接続でも契約回線の想定より大幅に低く、時間帯を変えても改善しない場合は、測定結果を記録してプロバイダーや回線事業者へ相談すると原因を特定しやすくなります。
